第八章 財政

第九十八条

  • 新に租税を課し、及び税率を変更するには、法律をもって定めなければならない。
  • 現行の租税は、更に法律をもって改めない限りは、旧の法律によって租税を徴収する。

第九十九条

  • 国家の歳入歳出は、内閣が毎年予算を国会に提出し、その審議を受け、両議院の議決を経なければならない。
  • 参議院と衆議院で異なった議決をした予算は、法律の定めるところにより、衆議院の議決を国会の議決とする。
  • 参議院が三十日以内に予算を議決しないとき、その予算は、衆議院の議決を国会の議決とする。

第百条

  • 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

第百一条

  • 内閣は、特別の須要により、あらかじめ年限を定め継続費として国会の承認を求める事ができる。

第百二条

  • 内閣は、避ける事の出来ない予算の不足を補うため、又は予算外に生じた必要な費用に当てるために、予備費を設けなければならない。
  • 内閣は、すべて予備費の支出について、事後に国会の承認を経なければならない。

第百三条

  • 国会において予算を議決せず、または予算成立に至らないとき、内閣は、前年度の予算を施行する。

第百四条

  • 皇室財産及び皇室の費用は、国家に属し、毎年予算に定める。

第百五条

  • 国家の歳入歳出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
  • 会計検査院の組織及び権限は、法律の定めるところによる。

解説

  • 帝国憲法を基本に構築しています。
  • 現行憲法と帝国憲法とをそれぞれ補う形で最小限の条文でまとめました。

日本皇国憲法 目次