皇室と現代

三笠宮崇仁親王殿下が薨去された。

 

戦中は陸軍の軍人として支那方面へ。

戦後は「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵られた世の中を、私は経験してきた」というご発言や、紀元節を批判されるなど、その時代を象徴したご発言をされた。

 

私は、皇室と言う存在が伝統の継承者であると同時に、その時の社会を映す鏡だと思っている。

 

先日の譲位に関する天皇陛下のお言葉に関しても、「平成の世」に根差したお言葉であった。

皇室も間違いなく「現代」を生きているのである。

 

そう言う意味で、雅子妃殿下の御病気も現代の世相を象徴したもの。

欧米の価値観で育ち、日本文化との狭間で悩み、苦しむ。

自然災害が激化し経済が停滞する中で、日本人らしさが求められ始めた昨今において、欧米価値観に毒された日本人の誰もが「適応障害」。

 

皇室は決して「過去」や「歴史」の中で生きているのではなく、「今」を生きている。

「過去」に呪縛された保守派の皇室批判は、このような皇室の本質を認識していない。